紀州製紙が内部統制報告書で「重要な欠陥」を開示

J-SOX法110番

プロフィール

長谷友春

公認会計士
公認情報システム監査人(CISA)
公認内部監査人(CIA)

大手監査法人に入社し会計監査、システム監査を実施。

提携先のカナダの監査法人にて在加日系企業のシステム監査を担当。

2006年11月に監査法人システム監査部門への転職に特化した人材紹介会社である株式会社オーディターズスクエアを設立、代表取締役に就任

日本公認会計士協会東京会
コンピュータ委員会前委員長
日本IT会計士連盟専務理事

このブログの中の意見は私見であり、所属する団体の意見ではありません

IFRSポータル.jp


J-SOX法の次に企業を待ち受ける難関であるIFRS/国際財務報告基準(国際会計基準)の様々な情報を集めたポータルサイトです。


IFRSポータル.jp
Sponsored Link

紀州製紙が内部統制報告書で「重要な欠陥」を開示

こんにちは、長谷友春です。

紀州製紙も内部統制報告書で「重要な欠陥」を開示しました。

以下はEDINETからの引用です。

−−−−−−−引用ここから−−−−−−−

3 【評価結果に関する事項】

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備に起因して発生した処理誤りの金額が、当社の第83期の重要な欠陥の基準の金額的な重要性の判断基準である35百万円以上となった。
 当該内部統制の不備は財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、重要な欠陥に該当する。したがって、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断した。

                      記

 連結グループの決算業務を統括する当社経理部門において、会計基準の適切な理解が不十分であったため、連結決算処理における重要な処理誤りが財務諸表監査の過程で判明し修正を行った。
 事業年度の末日までに是正されなかった理由は、連結グループにおいて、連結決算処理に係る知識・経験に長けた者を当該処理及び承認手続に従事させることができなかったためである。
 一方、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性は認識しており、今後は連結グループ全体で経理部門への人員配置を充実させるとともに、会計処理に関する教育の徹底を図り、再発防止を行うこととする。

4 【付記事項】

 事業年度の末日後、5月より連結グループの決算業務を統括する当社経理部門において知識・経験に長けた人員の増員を行った。

−−−−−−−引用ここまで−−−−−−−


なお、関東財務局に提出されている「確認書」においては、代表取締役が有価証券報告書の記載内容が金融商品取引法令に基づき適正に記載されていることを確認した旨が記載されていました。

監査法人トーマツによる監査報告書において、財務諸表監査の意見は無限定適正意見です。内部統制監査については以下のように記載されています。

−−−−−−−引用ここから−−−−−−−

当監査法人は、紀州製紙株式会社が平成21年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効でないと表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価について、すべての重要な点において適正に表示しているものと認める。

追記情報

 内部統制報告書に記載されている、重要な欠陥のある連結決算処理において特定された必要な修正はすべて連結財務諸表に反映されており、これによる財務諸表監査への影響はない。

−−−−−−−引用ここまで−−−−−−−


重要性の判断基準を具体的に出しています。税金等調整前当期純損失が3,224百万円(前期は2,068百万円の益)ですから、35百万円は絶対値の約1%なので、けっこう厳しめの値を採用していますね。
Sponsored Link